第1章 この文書が扱う範囲について

この文書の目的は、Debian 開発者に推奨される手続きと利用可能なリソースに関する概要を提供することにあります。

ここで取り上げる手続きには、開発者になる方法 (2章開発者になるために応募する) 、新しいパッケージの作り方 (「新規パッケージ」) とパッケージをアップロードする方法 (「パッケージをアップロードする」)、バグ報告の取扱い方 (「バグの取扱い」)、パッケージを移動、削除、みなしご化 (orphan) する方法 (「パッケージの移動、削除、リネーム、変更、みなしご化」)、パッケージ移植のやり方 (「移植作業、そして移植できるようにすること」)他のメンテナのパッケージを暫定的にリリースするのは、いつどの様にしたらよいのか (「Non-Maintainer Upload (NMU)」) が含まれます。

また、このリファレンスで触れるリソースには、メーリングリスト (「メーリングリスト」) およびサーバ (「Debian のマシン群」)、Debian アーカイブの構成に関する解説 (「Debian アーカイブ」)、パッケージのアップロードを受け付ける様々なサーバの説明 (ftp-master にアップロードする」)、パッケージの品質を高めるために開発者が利用できるリソースについての解説 (付録A Debian メンテナツールの概要) などがあります。

初めに明らかにしておきたいのですが、このリファレンスは Debian パッケージに関する技術的な詳細や、Debian パッケージの作成方法を説明するものではありません。また、このリファレンスは Debian に含まれるソフトウェアが準拠すべき基準を詳細に解説するようなものでもありません。その様な情報については全て、Debian ポリシーマニュアル に記述されています。

さらに、この文書は公式なポリシーを明らかにするものではありません。含まれているのは Debian システムに関する記述と、一般的な合意がなされたベストプラクティスに関する記述です。すなわち「規範」文書と呼ばれるものではない、ということです。